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金岡恒治

MD, PhD

所属・役職:

早稲田大学スポーツ科学学術院教授 整形外科医師

タイトル:
講義3-A 腰痛の評価方法とアスレティックリハビリテーション (Evaluation and Rehabilitation to Low Back Disorders)

抄録:

アスリートに腰部障害は好発し、その多くは画像所見や神経症状を伴わない、いわゆる非 特異的腰痛である。運動を繰り返す際に下位腰椎に挙動負荷が集中し、当初は違和感を感 じ、負荷の繰り返しによって特定組織に微細損傷が生じ運動時の腰痛が生じる。この時期 に十分な休息やコンディショニングによって症状は改善するが、負荷を加え続けると炎症 が生じ、運動後も腰痛が生じるようになる。さらに運動を続けると骨吸収や増殖などの器 質的変化が生じ、最終的には変形へ至る。 腰部に伸展負荷が加わることで椎間関節障害、椎弓疲労骨折、仙腸関節障害が発生し、屈 曲圧縮負荷によって椎間板障害が生じる。また筋筋膜への負荷によってmyofascial pain

syndromeとしての筋筋膜性腰痛、筋腱の骨への付着部での障害(enthesopathy)、体幹浅 層筋の肉離れ障害を生じる。 腰痛が強い時期にはブロック注射や投薬が有効であり、関節障害には徒手療法、筋緊張 に対してはマッサージ、鍼治療等が有効であるが、根本的な原因である下位腰椎への負荷 を減少させるためには、腰椎隣接関節の可動域拡大、体幹安定化機能向上やモーターコン トロール機能向上を目的としたアスレティックリハビリテーションが必要となる。

略歴:

1988年筑波大学を卒業した脊椎専門の整形外科医師。筑波大学整形外科講師を務めた後、 2007年から早稲田大学スポーツ科学学術院准教授、2012年より同教授。シドニー、アテ ネ、北京五輪の水泳チームドクターを務め、ロンドン五輪にはJOC本部ドクターとして帯同。

 

委員等:

日本水泳連盟理事・医事委員長、JSPOアスレティックトレーナー部会員、 JOC情報医科学専門部会員、Tokyo2020組織委員会アドバイザーほか。

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